「寒露」のじゃがいもぱん【シリーズ:二十四節気を楽しむぱん】
二十四節気を楽しむ 一膳の手まるめぱん
1年を太陽の動きに合わせて24の期間に分け、季節を表した「二十四節気」。太陰太陽暦(旧暦)では季節を表すために用いられていました。
「じゃぱん」では二十四節気(にじゅうしせっき)を区切りとし、その時期に旬を迎える食材を使った「手まるめぱん」を連載でお届けします。
シンプルなレシピでつくる、手のひらサイズの手まるめぱん。日本の四季を感じる日本ならではのパンを、気軽に楽しみませんか?
「寒露」10月8日ごろ
二十四節気の第17節にあたり、10月8日ごろ、および「霜降」までの期間をさします。「寒露」とは、晩夏から初秋にかけて草におりる冷たい露のことで、秋の長雨が終わり、本格的な秋の始まりになります。今年は台風が何度も来襲するなど例年にない秋の始まりになっていますが、ほんらいは大気の状態が安定して空気が澄んだ秋晴れの日が多くなるころです。夜には月も美しく輝いて見え、晴天も秋の清々しさを感じます。五穀の収穫もたけなわで、農家では繁忙を極めます。
じゃがいも前線は北海道へ
じゃがいもは保存がきくので一年中出まわり、煮ものなどの和食の他サラダ、ポテトフライなどの洋食などさまざまな食べ方ができる、食卓に欠かせない野菜です。世界の五大食用作物(小麦、水稲、大麦、とうもろこし、じゃがいも)の一つとされており、
ヨーロッパでも消費が多く、ドイツ、ポーランド、ロシアなどでは主食にもなっています。
日本各地で年中どこかで収穫されていて、保存もきくのでいつでも店頭で見かけますが、旬は九州産を中心にした5~6月頃と、北海道産を中心にした9~12月頃の年2回です。「新じゃが」と呼ばれるものは、春に九州から出荷されるものをさします。最近は1~2月に収穫できる沖縄産のじゃがいもから始まって、桜前線のようにじゃがいも前線は南から北へ上がっていきます。
世界中には2000種程の品種があると言われていますが、日本で主に栽培されているのは約20種類です。品種により、料理用、でんぷん原料用、ポテトチップスなどの加工用などにわかれています。
料理によって品種を使い分けるとおいしいのがじゃがいも。男爵系のじゃがいもは、でんぷんが多い粉質系で、マッシュポテト、サラダ、コロッケなどにむきます。煮くずれしやすいので煮ものにはむかないと言われますが、肉じゃがやカレーには多少崩れた方がいいという好みもあります。メークイン、ニシユタカ、ホッカイコガネなどのでんぷんの少ない粘質系は、煮崩れがしにくいので、シチュー、カレー、肉じゃが、おでんなどの煮込み料理に向いています。キタアカリは、コロッケ用の品種として知られるようになりました。春と秋のとれたてのじゃがいもは、よく洗って皮ごと料理する方がおいしいですね。
「寒露」のじゃがいもぱんのつくりかた
今回は、いつものパン生地にじゃがいもとベーコン、チーズを包んだぱんを作ってみます。上部を切って成形、溶け出たチーズがこんがりおいしいおかずぱんです。
シンプルで簡単!手のひらサイズのパンは1カップの小麦粉で。
ふつう手ごねでもホームベーカリーでも、1斤の食パンを焼くには300g前後の小麦粉を使います。でも一人暮らしではちょっと多いし、発酵にも時間がかかりそう…と思う方、1カップ=100gの小麦粉で小さな「手まるめぱん」を作ってみませんか?材料と作り方はとてもシンプルです。
<材料>3個分
- パン用小麦粉(強力粉)1カップ(100g)
- 塩 小さじ1/4
- 砂糖 小さじ1
- 白神こだま酵母 小さじ1/2
- 酵母を溶かす水 小さじ1(35℃にする)
- 生地に加える水 55cc前後(30~35℃にする)
- じゃがいも 小1個(約50g)
- ベーコン 10gくらい
- シュレッドチーズ 適量
- サラダ油 少々
※お使いになる小麦粉によって水分量が変わります。詳しくは小麦粉の商品説明書にてご確認の上、当レシピをご参照ください。
<作り方>
- 白神こだま酵母は、35℃くらいのぬるま湯小さじ1に浸して5分ほどおく。
- 小麦粉に塩と砂糖を混ぜておく。【1】の酵母をあわせて、生地の様子を見ながら水を加え、生地がなじんだら耳たぶくらいの固さになるよう手のひらで温めながら捏ねていく。
- 乾燥しないように大きめのボウルなどに入れて30℃前後に保温し、大きさが2.5倍、指でおして生地が戻ってこなくなるまで発酵させる。
- じゃがいもは皮をむいて、7mm角くらいに切る。ベーコンも同じ大きさに切ってサラダ油少々でじゃがいもに火が通るまで炒める。塩とコショウ少々で味をととのえ、冷ましておく。
- 生地のガスを抜くように軽く丸め15分ほど休ませる。3等分して平たく伸ばし、適量のチーズとじゃがいもソテーを包んで丸く形を整え、とじ目を下にして天板に並べ、暖かいところで30分ほど発酵させる。
- 上部にハサミで十文字に深く切込みを入れ、霧吹きで水をかけて、190~200℃に予熱したオーブンで10~15分焼く。
おわりに
じゃがいもぱんの作り方はいかがだったでしょうか?旬のじゃがいもでぜひお試しください。じゃがいも以外にちょっとしたおかずをくるむだけでもおいしい惣菜パンができあがるんですね。休前日の夜に作って、ゆっくり贅沢な休日のブランチを楽しんではいかがでしょうか。