【ぱんと郷土料理と】ヒカド(長崎)
ぱんと郷土料理と
「どこの生まれですか」そんな問いのむこうに思い浮かぶもの、それは日本各地の食卓。情報網や物流が発達して、各地の食べものを知り、取り寄せることがかんたんにできるようになった今でも、まだまだ知られていない郷土料理があります。その土地ならではの食材を、そこに伝わる知恵と工夫で調理した、懐かしい香りのする料理の数々。ここでは、そんな郷土料理をパンと一緒に味わう旅をしてみましょう。意外な組み合わせとおいしさに出会えるかもしれません。
今回ご紹介するのは長崎県の郷土料理「ヒカド」。さいの目切りにした魚や肉、野菜をだしで煮て、おろしたさつまいもでとろみをつけた、やさしい味わいの煮込み料理です。
江戸時代に長崎に渡来した宣教師によって伝えられたとされる南蛮料理で、ポルトガル語の「Picado=細かく刻む・調理する」が語源とされています。さつまいもの甘みがじわーっと感じられるやさしい味です。キリスト教の禁教令によって、宣教師たちは国外追放されることになり、伝わったままの南蛮料理を作ることはなくなってしまいましたが、肉を魚に代用したりしてアレンジを加えながら受け継がれ、長崎の郷土料理になりました。
もともとのヒカドはなんとパンでとろみをつけていたらしく、パンが入手できなくなった後にさつまいもでとろみをつけるように変化していったとも言われています。冬においしい煮込み料理です。ぜひお試しください。
魚と肉、野菜がたくさん入るのが長崎らしいですね
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レシピ「ヒカド」
すりおろしたサツマイモでとろみをつける以外は、ありあわせの野菜と魚、肉などでできるやさしい味わいの汁。ごはんにもパンにもよくあいます。
<材料>2~3人分
魚の切身(カジキマグロ・ブリなど)50g
豚小間肉 50g
大根 60g
人参 40g
さつまいも 100g
干し椎茸 2枚
葉ねぎ(大根葉) 少々
醤油 大さじ1
塩 小さじ1
酒 大さじ1
だし汁 450cc
<作り方>
①昆布、かつおでとっただし汁に干し椎茸を浸けておく。豚肉、魚の切身はザルにのせ、それぞれさっと熱湯をかけてアクをとり、1cm角くらいに切っておく。
②大根、人参、もどして絞った干し椎茸をそれぞれ1cm角のさいの目切りにする。さつまいもの2/3は同様にさいの目に切る。
③鍋に①、②とだし汁を入れて中火にかける。沸騰したら火を弱め、野菜に火が通るまで煮込む。
④残りの1/3のさつまいもをすりおろして加え、醤油、酒、塩で味をととのえ、葉ねぎ(大根葉)を加えてできあがり。