【ぱんと郷土料理と】呉汁(鹿児島)

【ぱんと郷土料理と】呉汁(鹿児島)

ぱんと郷土料理と

「どこの生まれですか」そんな問いのむこうに思い浮かぶもの、それは日本各地の食卓。情報網や物流が発達して、各地の食べものを知り、取り寄せることがかんたんにできるようになった今でも、まだまだ知られていない郷土料理があります。その土地ならではの食材を、そこに伝わる知恵と工夫で調理した、懐かしい香りのする料理の数々。ここでは、そんな郷土料理をパンと一緒に味わう旅をしてみましょう。意外な組み合わせとおいしさに出会えるかもしれません。

今回ご紹介するのは「呉汁」。呉汁(ごじる)は日本各地に伝わる郷土料理です。大豆を水に浸し、すりつぶしたペーストを呉(ご)といい、呉を味噌汁に入れたものが呉汁と言います。呉汁に入れる大豆以外の具材は、人参、大根、里芋、ごぼなどの野菜、豆腐、厚揚げ、油揚げなどの大豆加工品、こんにゃく、椎茸、煮干し、鶏肉など地域によってさまざまです。大豆を丸のまま煮ると時間がかかりますが、すりつぶしてから煮ることで短時間で火が通る、まさに日本の庶民の郷土料理です。

今回は鹿児島県の呉汁としてご紹介していますが、特徴は麦味噌を使う点です。九州の麦味噌は麦麹が多く短期間で仕込むため色が白く甘めの仕上がりになります。呉汁は北陸や東北など各地で郷土料理として食されていますが、味噌も具材もその土地のもので作られています。乾燥豆を水に浸してすりつぶすという料理法は、ふだんなかなか思いつかないものですが、作ってみると実に理にかなっており、ひよこ豆など他の豆でもぜひとり入れてみたいですね。

野菜と大豆、味噌。これぞ日本の郷土料理!

おすすめのぱん「ホワイトフランス」

サラのホワイトフランスはしっとりやわらかく、小麦の香りが豊かに広がります。白焼き製法で仕上げたやわらかい生地は、もちもちの食感が特徴です。余分な材料は使わず、素材の味が最大限に引き出されたホワイトフランスは、噛めば噛むほどに味が出る、まるでご飯のような飽きのこない味です。口に入れた瞬間に小麦の香ばしい香りが広がり、噛むと後からほんのりと白神こだま酵母の優しい甘みがついてきます。どんな食材にも合う万能パンです。

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レシピ「呉汁」

味噌は麦麹の割合が多く甘めの九州麦味噌がおすすめですが、手に入らない場合はふつうの米味噌でもできます。白味噌を足したり好みの味付けで楽しんでください。

<材料>3~4人分
大豆(乾燥) 50g
里芋 100g
さつまいも 50g
にんじん 50g
大根 50g
こんにゃく 50g
油揚げ 1枚
いりこ 10g
麦味噌 大さじ4~
小ねぎ 少々

<作り方>
①大豆はさっと洗ってたっぷりの水に一晩浸けておく。水を切ってすり鉢などですりつぶす。大根、人参、里芋、さつまいもはいちょう切り、こんにゃくは1cm角くらいの短冊に切る。油揚げは縦半分に切ってから千切りにする。
②鍋に900ccの水と①、いりこを入れて火にかけ、大豆の粒に火が通るまで20分くらいしっかりと煮る。
③大豆に火が通ったら野菜を加えて柔らかくなるまで煮て、麦味噌を溶き入れる。器に盛って小ねぎをあしらう。

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