「雨水」の林檎ベーグル【シリーズ:二十四節気を楽しむぱん】
二十四節気を楽しむ 一膳の手まるめぱん
1年を太陽の動きに合わせて24の期間に分け、季節を表した「二十四節気」。太陰太陽暦(旧暦)では季節を表すために用いられていました。
「じゃぱん」では二十四節気(にじゅうしせっき)を区切りとし、その時期に旬を迎える食材を使った「手まるめぱん」を連載でお届けします。
シンプルなレシピでつくる、手のひらサイズの手まるめぱん。日本の四季を感じる日本ならではのパンを、気軽に楽しみませんか?
「雨水」2月19日
「雨水(うすい)」とは、降る雪が雨に変わり、山につもった雪や氷が解けて流れ出すころのこと。昔から農耕の準備を始める季節と言われてきました。
雪がとけることを「雪解(ゆきげ)」、川に流れ込む雪解け水を「雪汁(ゆきしる)」と言います。雪汁で川や海が濁るさまを「雪濁り」と言い、雨水の時期にちなんだ言葉が日本各地で伝えられています。
「林檎」も「桜」も同じバラ科の仲間
林檎の花をご覧になったことはありますか?日本一の産地、青森では4月下旬から5月、桜の時期に近いころ、桜や桃によく似た薄紅色の美しい花を咲かせます。それもそのはず、桜も桃も梅も林檎も、みな同じ「バラ科」の植物なのです。他にはプルーンや杏、梨などもバラ科の仲間。おいしい果実を実らせるものが多いのですが、本家のバラは果実より花を楽しむ植物だというのは不思議ですね。
林檎は品種によって旬が少しずつ違いますが、秋から冬にかけて収穫されます。年を越えてからは酸素量をコントロールした専用の貯蔵庫で保管され、春先まで食卓を賑わせてくれます。
「雨水」の林檎ベーグルのつくりかた
今回は初めてベーグルに挑戦してみます。もちもちとした食感とさまざまにアレンジできる楽しさで、若い女性を中心に人気急上昇中のベーグル。でも作り方はかんたん!いつものパン生地を発酵させてから茹でて焼くだけなのです。
シンプルで簡単!手のひらサイズのパンは1カップの小麦粉で。
ふつう手ごねでもホームベーカリーでも、1斤の食パンを焼くには300g前後の小麦粉を使います。でも一人暮らしではちょっと多いし、発酵にも時間がかかりそう…と思う方、1カップ=100gの小麦粉で小さな「手まるめぱん」を作ってみませんか?今回はソテーした林檎をくるんだ甘酸っぱいベーグルです。
<材料>3個分
- パン用小麦粉(強力粉)1カップ(100g)
- 塩 小さじ1/4
- 砂糖 小さじ1
- 白神こだま酵母 小さじ1/2
- 林檎 1/2個
- 林檎ソテー用の砂糖 小さじ3
※お使いになる小麦粉によって水分量が変わります。詳しくは小麦粉の商品説明書にてご確認の上、当レシピをご参照ください。
<作り方>
- 白神こだま酵母は、35℃くらいのぬるま湯小さじ1に浸して5分ほどおく。
- 小麦粉に塩、砂糖を混ぜておく。①の酵母と55g前後のぬるま湯、②をあわせて、手のひらで温めながら捏ねていく。
- 林檎は芯をとって皮ごと薄い一口大に切って、フライパンに水少々とともに入れてソテーする。途中で砂糖小さじ3を加えて軽く色づいてしんなりするまでソテーして冷ましておく。
- ②の生地を3等分し、10cm×20cmくらいの大きさに伸ばす。冷ました林檎ソテーをのせて、端から海苔巻の要領で巻いていく。一方の巻き終わりをもう一方の端とあわせて輪にして止める。
- 天板にオーブンシートを切ってベーグル生地をのせ、30℃前後に保温し、大きさが2倍くらいになるまで発酵させる。
- オーブンを190℃に予熱しておき、たっぷりの湯を沸かしたところにオーブンシートから生地をすべらすように入れて、表裏それぞれ1分くらい茹でる。
- 水をよく切って天板に並べ、すぐにオーブンに入れて190℃で15分ほど焼く。
おわりに
いかがでしたか?ベーグルは思ったより手軽にできておいしいですよね。林檎は秋であれば紅玉がおすすめですが、どんな品種でもそれぞれの味の個性が感じられておいしいです。ドライフルーツやナッツ、クリームチーズなど加えたアレンジもぜひトライしてみてください。林檎を入れるのが難しいと思う方は、何も入れずに作ってもシンプルな生地のおいしさが楽しめますよ。