「小寒」の抹茶小豆ぱん【シリーズ:二十四節気を楽しむぱん】
二十四節気を楽しむ 一膳の手まるめぱん
1年を太陽の動きに合わせて24の期間に分け、季節を表した「二十四節気」。太陰太陽暦(旧暦)では季節を表すために用いられていました。
「じゃぱん」では二十四節気(にじゅうしせっき)を区切りとし、その時期に旬を迎える食材を使った「手まるめぱん」を連載でお届けします。
シンプルなレシピでつくる、手のひらサイズの手まるめぱん。日本の四季を感じる日本ならではのパンを、気軽に楽しみませんか?
「小寒」1月5日ごろ
「小寒」は二十四節気の第23節で、1月5日ごろ、および大寒までの期間をいいます。冬至 から数えて15日目頃、「寒の入り」とも言われます。小寒から立春までの30日間を「寒の内」といい、一年で最も寒さが厳しくなるころです。寒稽古や寒中水泳が行われるのもこの時期です。
「小寒」の時期の間には1月15日の「小正月」があります。1月1日は「大正月」で「男正月」とも言われます。「小正月は」「女正月」などとも呼ばれ、年神様や祖霊を迎える行事の多い大正月に対して、小正月は豊作祈願などの農業や、家庭的な行事が中心になっています。「女正月」と呼ばれるのは、年末年始に忙しく働いた主婦や女達をねぎらう意味もあり、この日は女達だけの正月としている地方も多いようです。
小正月は小豆でデトックス
小正月の朝食には「小豆粥」を食べる習慣がありました。この習慣は歴史的にも非常に古く、10世紀ころの文献にも出てくるそうです。小豆はその赤い色で穢れを払う食べものと言われ、食物繊維が多く含まれ利尿作用があり、老廃物を排出するという意味でも時々取り入れたい食材です。この「小豆粥」も「七草粥」同様に、続けて行きたい大切な風習ですね。
小豆の原産地は東アジア。祖先の「ヤブツルアズキ」は日本からヒマラヤの照葉樹林帯に分布し、縄文遺跡からも発掘されているほか、古事記にもその記述があります。ダイズという名前は漢字の「大豆」からと考えられる一方で、「小豆」の読みはショウズで、アズキは大和言葉だと考えられています。アは赤を意味し、ツキ・ズキが溶けることを意味し、他の豆より調理時間が短いことを意味しています。その名の通り、豆類は十分浸水しないと煮えないのに対し、小豆は洗ってそのまま煮ることができます。
「小寒」の抹茶小豆ぱんのつくりかた
今回は、いつものパン生地に抹茶を加え、小豆をあしらったぱんを作ってみます。小豆は市販の甘納豆やゆで小豆を使うとかんたんです。
シンプルで簡単!手のひらサイズのパンは1カップの小麦粉で。
ふつう手ごねでもホームベーカリーでも、1斤の食パンを焼くには300g前後の小麦粉を使います。でも一人暮らしではちょっと多いし、発酵にも時間がかかりそう…と思う方、1カップ=100gの小麦粉で小さな「手まるめぱん」を作ってみませんか?材料と作り方はとてもシンプルです。
<材料>3~4個分
- パン用小麦粉(強力粉)1カップ(100g)
- 塩 小さじ1/4
- 砂糖 小さじ1と1/2
- 白神こだま酵母 小さじ1/2
- 酵母を溶かす水 小さじ1(35℃にする)
- 生地に加える水 55cc前後(30~35℃にする)
- 抹茶 小さじ1
- ゆで小豆または甘納豆 適量
※お使いになる小麦粉によって水分量が変わります。詳しくは小麦粉の商品説明書にてご確認の上、当レシピをご参照ください。
<作り方>
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- 白神こだま酵母は、35℃くらいのぬるま湯小さじ1に浸して5分ほどおく。
- 小麦粉に塩と抹茶を混ぜておく。【1】の酵母、分量のぬるま湯の順に生地の様子を見ながらを加え、生地がなじんだら耳たぶくらいの固さになるよう手のひらで温めながら捏ねていく。
- 乾燥しないように大きめのボウルなどに入れて30℃前後に保温し、大きさが2.5倍、指でおして生地が戻ってこなくなるまで発酵させる。
- 3つ分割して生地のガスを抜くように軽く丸め15分ほど休ませる。
- 細い棒状にしてから平たく伸ばし、ゆで小豆を適量のせて軽く閉じる。ねじりながら丸めて端を中心に押し込む。天板に並べて30分~1時間ほど発酵させる。
- 150~160℃のオーブンで15分前後、あまり焼き色がつかないように焼く。
おわりに
抹茶小豆ぱんの作り方はいかがだったでしょうか。ゆで小豆がない場合は、金時豆や黒豆などの煮物などでもできます。同じ生地を蒸しぱんにしてもおいしいです。