味噌パンには菓子パン・惣菜パン・蒸しパンがある?群馬発祥・みそパンの魅力
皆さんは「味噌パン(みそパン)」というパンをご存じでしょうか。パンに味噌を練り込んだり塗ったりと、その名の通り材料に味噌を使用したパンのことです。群馬県沼田市が発祥の地といわれ、沼田市では学校給食として出されるほど親しまれています。
そこで今回は、知られざる味噌パンの魅力についてご紹介します。
味噌パンのはじまり
味噌パン発祥の地、群馬といえば、焼きまんじゅうが有名です。焼きまんじゅうとは、蒸した白まんじゅうを串に刺し、黒砂糖や水飴で味付けした濃厚な味噌ダレを塗って炭火で焼いたものです。
焼きまんじゅうは19世紀から愛されている群馬県民のソウルフードですが、味噌ダレがまんじゅうの表面にたっぷり塗られているために、食べる際に口の周りが汚れてしまうという欠点がありました。
その食べにくさにヒントを得て、1972年、群馬県沼田市にある「フリアンパン洋菓子店」が、パンを割って中に味噌を塗った「みそパン」を売り出しました。これが現在の味噌パンのはじまりだといわれています。
味噌パンの種類
菓子パンタイプ
甘みが強く、水分の少ない生地に味噌を練り込んで焼き上げたタイプの味噌パンです。味噌だけではなく砂糖や塩も練り込み、中にはしょうゆを加えたものもあります。長野県松本市、宮城県仙台市、北海道などで製造・販売されています。
蒸しパンタイプ
通常の蒸しパンの生地に味噌を練り込み、風味を付けて蒸したタイプの味噌パンです。味噌は風味付け程度で、砂糖の甘みが強いことが特徴。福島県にメーカーがあります。
惣菜パンタイプ
コッペパンやフランスパンなどの甘みが少ないパンを使用し、甘みのある味噌を塗ったタイプの味噌パンです。味噌ダレをパンの中に注入したものもあります。
さまざまな味噌パン
東京「ブレンド味噌パン」
亀戸にある、昭和9年創業の味噌としょうゆ、漬物を中心とした発酵食品の専門店「佐野みそ本店」。ここでは、味噌店ならではの味噌パンを売っています。
その味噌パンというのが「佐野のみそパン」です。しっとりとしたデニッシュ生地に、江戸味噌をメインにしたブレンド味噌を練り込まれています。「味噌汁のように毎日食べてもらえるパン」をコンセプトに、50種類もの試作を重ねて完成しました。
伝統を守り続けてきた老舗味噌店のこだわりの味を堪能できますよ。
京都「西京味噌パン」
京都といえば伝統的な日本食のイメージがありますが、実は京都は日本一パンを消費している街。京都市内だけでも200店ほどのパン屋さんが出店しています。
最近では、京都の伝統調味料である西京味噌とパンを組み合わせた西京味噌パンが登場し、現在京都市内の14店舗で販売されています。白味噌はパンの甘さを引き立て、コクを出すといわれています。
また、東京都内のパン屋さんでも、京都の西京白味噌をパン作りに取り入れているところがあるようです。
福島「元祖みそぱん」
福島県福島市に店舗をかまえる、創業300年を超える和菓子専門店「駒田屋本舗」。ここでは、もちっとした食感に、味噌の風味と甘辛さがクセになる「元祖みそぱん」を販売しています。元祖みそぱんは小麦・味噌・砂糖のみを使用したシンプルな味噌パン。素材本来の風味とおいしさを堪能できる逸品です。昔ながらのなつかしい味で、牛乳と合わせるのがおすすめの食べ方。
おわりに
焼きまんじゅうがアレンジされて誕生した味噌パンは、おやつにもぴったりのB級グルメ。通販で購入可能なところもあるため、お店に行かなくても手軽に購入できます。ぜひ、味噌とパンの意外な組み合わせを味わってみてはいかがでしょうか。