【日本のパンvs世界のパン】種類・食感・見た目…違いをチェック
老若男女問わず、世界中で親しまれている食べ物、それがパンです。現代には目移りするほどバラエティに富んだパンがあふれ、焼きたてのパンのおいしそうな香りは私たちの食欲をそそります。
パンの歴史は意外なほど古く、その長い歴史の中でさまざまな種類のパンが世界中で作られてきました。その数は5,000~6,000種類にも及ぶといわれており、主原料や調理方法もさまざまです。
そこで今回は、日本のパンや世界のパンについて、種類・食感・見た目などの違いをご紹介します。
日本のパン
日本では世界的に見てもかなり多くの種類のパンが作られています。ハイレベルな製パン技術を持った製パン会社や街のパン屋さんのおかげで、日本にいながら世界中のパンを味わうことが可能です。
日本はお米が主食だったため、もともとパンと呼べるような食べ物は存在しませんでした。しかし外国からパンが伝わった後、パンは日本人の食生活や好みに合うよう改良が重ねられてきました。その結果、主食としてではなく惣菜やお菓子としてのパンが発達。主食としても食べられている食パンにおいても、お米と同じように水分が多くやわらかいものが好まれます。
代表的な日本のパンとしては「あんパン」「クリームパン」「ジャムパン」「メロンパン」などが有名です。
フランスのパン
フランスのパンの特徴は、表面が硬く、さっくりとした食感を持つこと。これは、パンを作るための材料に秘密があります。フランスではパンは主食のため、基本的に材料がとてもシンプル。小麦粉と水、塩、イースト、モルト(麦芽)が主な材料です。
一般的に広く知られているフランスのパンといえば「フランスパン」ですが、フランスのパンはすべてフランスパン。日本人がフランスパンと聞いて思い浮かべる長くて硬いパンは定番のフランスパンである「バゲット」です。
イタリアのパン
パスタのイメージが強いイタリアですが、実はパンの消費量も多いイタリア。イタリアでも、パンは主食として食べられています。イタリア料理の塩分が高めのため、比較的塩分を抑えたパンが多いという特徴があります。
また、郷土色が強く、地方ごとにさまざまな特徴を持ったパンがあります。日本でも有名なイタリア北部生まれの「フォカッチャ」は、生地にオリーブオイルが練り込まれたパンです。イタリア風サンドイッチ「パニーニ」のパンとしても使用されます。
ドイツのパン
ドイツは世界屈指のパン大国として知られており、日本以上にパンの種類が多いともいわれている国です。パン屋さんで扱う商品は1,200種類ほどもあるといわれています。
ドイツのパンの特徴は、材料にライ麦を使用しているパンが多いこと。ドイツの気候では小麦が育ちにくいためです。ライ麦の持つ酸味とほのかな甘味が特徴で、ライ麦によってパンの見た目は黒っぽくなっており、パンの中の密度は高く、ずっしりとした重みがあります。食感はざくざく、さくさくしたような硬めのものが一般的です。
イギリスのパン
イギリスでもパンは主食扱いです。そのため、他の欧米諸国のパンと同様に、パンそのものには味のついていないものが主流です。
イギリスのパンとして代表的なものといえば、上部をふっくらと膨らませて焼き上げた、山型の白い食パン。「ホワイトブレッド」「ホワイトローフ」などと呼ばれます。日本の食パンの原型になったといわれていますが、日本の食パンに比べて硬めで甘さも控えめ。日本で「イギリスパン」として販売されているパンは、本場のものとは異なり日本人の好みに合わせたやわらかさと甘さにアレンジされていることが多いようです。
アメリカのパン
ハンバーガーやホットドッグなど、パン生地を使ったファーストフードで有名です。パン単体で有名なものとしては、ホールウィートブレッド(全粒粉の食パン)が挙げられます。
さまざまな国の人々が集まるアメリカ。人々とともに各国からアメリカに伝わったパンは、アメリカ人の食生活や好みに合わせてアレンジされてきたという特徴があります。日本と少し似ていますよね。
アメリカ流にアレンジされてきたパンはさまざまです。例えば、ポーランド発祥のベーグルにドライフルーツやチョコレートを練り込んだり、イギリスのスコーン(アメリカではビスケット)にハムやソーセージを挟んでハンバーガーのようにして食べたりするようです。
おわりに
欧米諸国が本場のように感じられるパンですが、日本のパンも負けていません。その種類の多さや、日本独特のやわらかさや甘さなど、おいしさに驚く外国の方も多いようです。
今回ご紹介したパンは世界中の多種多様なパンの中のほんの一握りであるため、きっとまだまだ知らないパンがあるはず。新たなパンとの出会いを求めて、さまざまなパン屋さんを巡るのも楽しいかもしれませんね。