【ぱんと郷土料理と】からしれんこん(熊本)

【ぱんと郷土料理と】からしれんこん(熊本)

ぱんと郷土料理と

「どこの生まれですか」そんな問いのむこうに思い浮かぶもの、それは日本各地の食卓。情報網や物流が発達して、各地の食べものを知り、取り寄せることがかんたんにできるようになった今でも、まだまだ知られていない郷土料理があります。その土地ならではの食材を、そこに伝わる知恵と工夫で調理した、懐かしい香りのする料理の数々。ここでは、そんな郷土料理をパンと一緒に味わう旅をしてみましょう。意外な組み合わせとおいしさに出会えるかもしれません。

今回ご紹介するのは熊本県の郷土料理「からしれんこん」。熊本県の特産、れんこんは増血作用、鎮咳作用など薬効のある食べものとして知られています。江戸時代の熊本藩主細川忠利は病弱でしたが、れんこんを食べるよう勧められ、藩の賄方が作って献上した料理が「からしれんこん」の始まりとされています。れんこんの穴にからし粉を混ぜた麦味噌を詰め、麦粉・空豆粉・卵の黄身の衣をつけて菜種油で揚げたもので、れんこんを輪切りにした断面が細川家の家紋と似ていたことから門外不出の料理とされていたという伝説もあります。

後にからしれんこんは一般家庭で正月などに作られる郷土料理となり、専門店ができるまでになりました。作り方は意外にかんたんで、材料もシンプル。手作りすると辛子の量も調節できます。お酒のおつまみに最適ですが、パンにもよく合います。れんこんがたくさん出回る季節にぜひ作ってみてください!

からしれんこんはケチャップやマヨネーズもよくあいます

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レシピ「からしれんこん」

茹でて冷まし、味噌をつめてねかせ、という具合に時間はかかりますが、意外とかんたんに作ることができます。衣にターメリック少々を加え、菜種油で揚げると鮮やかな黄色に仕上がります。

<材料>3~4人分
れんこん  250g
■からし味噌
白味噌 80g
ねりからし 小さじ2
パン粉 40g
■衣
薄力粉 50g
卵黄 1個分
ターメリック(あれば) 少々
塩 少々
水 60cc

揚げ油(菜種油がおすすめ) 適量

<作り方>
①蓮根は洗って節の両端を落とす。鍋にれんこんとかぶるくらいの水を入れて酢を少々加え、火にかける。沸騰してから5~6分ゆで、火を消して煮汁が冷めるまでおく。
②れんこんはざるにあげて水気をよく切る。 からし味噌の材料を混ぜておく。
③れんこんの穴に②のからし味噌をすきま無く詰める。れんこんとからし味噌をなじませるために、冷蔵庫に入れて一晩おく。
④③のれんこんの水分を拭き、薄力粉(分量外)をまわりにまぶす。衣の材料を混ぜ、れんこんをくぐらせて中温の油で10分ほどじっくり揚げる。

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