こたつや発泡スチロールでパンを発酵させる!?パンのいろいろな発酵方法
パンを作る際の重要な工程の1つが、発酵です。うまく発酵して膨らめばふわふわの食感のパンができあがりますが、失敗すると硬いパンになってしまいます。
特に冬場は気温が低く乾燥しがちなため、常温の部屋では生地の発酵が進みにくい環境です。そこで今回は、寒い季節でもご家庭で簡単にできるパンの発酵方法をご紹介します。ぜひ、冬のパン作りの参考にしてください。
パン生地の発酵過程
パン生地を発酵させるためには、気温が30~35度の環境下で、時間は50~60分ほど必要です。温度だけではなく、パン生地が乾燥しないように湿度も保つことが必要です。湿度は~80%~が最適になります。また、日によっても進み具合はまちまちなため、あくまでも時間は目安と考えて、大きさを見て発酵できたかを確認しましょう。もとの生地の2~2.5倍くらいに膨らめば発酵完了です。
十分に膨らんだら、最後に指に粉を付けて差し込み、穴がそのままへこんだままになるか確認してください。穴がふさがるようなら、もう少し置いておきましょう。生地がしぼんでしまった場合は発酵しすぎのサイン。しかし、多少風味は落ちるものの、そのまま焼いても問題はありません。
こたつを使ったパンの発酵方法
夏場は気温が高いため、部屋の中でも十分発酵に適していますが、冬の室温では時間が掛かります。そこでおすすめしたい、寒い季節ならではの方法が、こたつを利用して発酵させる方法です。
1.こたつの温度を低めに設定する
こたつの内部の温度は低いときで35~40度ほどですが、高く設定すると60度を超えてしまいます。そのため、発酵に使うときは温度を低めに設定してください。
2.生地をまとめてボウルに入れ、乾燥を防ぐためにラップをした状態でこたつの中に入れる
このとき、ヒーターの真下は避けて隅に置いてください。
3.30~40分発酵させる。時間はあくまで目安で、自分の目で大きさが2~2.5倍ほどになっているかを確認してください。
こたつがない場合のパンの発酵方法
最近ではこたつを置かないご家庭も増えてきています。しかし、以下のものを利用すれば、こたつがない場合でも簡単に発酵させられます。
湯せんで発酵
1.生地を入れるボウルよりもひと回り大きめの鍋を用意
2.鍋に40~50度のお湯を入れ、しっかりとラップを掛けた生地入りのボウルを上に乗せる
注意すべき点は、ボウルが鍋の底に触れないようにすることです。鍋の底についてしまうとそこだけが高温になってしまい、部分的に発酵しすぎてしまいます。ムラなく均等に発酵させるためにも、ボウルよりもひと回り大きな鍋を使ってください。お湯がすぐに冷えてしまうほど寒い場合は、ときどきお湯を取り替えて冷めないようにしましょう。
発泡スチロールで発酵
生地を入れたボウルが入る大きさがあり、ふたが付いているものであれば、発泡スチロールの箱を利用することもできます。発泡スチロールの中の温度と湿度を保つために、カップにお湯を入れてラップを掛け、そのラップに穴を開けてパン生地と一緒に箱の中に入れましょう。適度な温度と湿度を保たせることができます。中に温度計を入れておくと温度の状態が分かります。20~30分して温度が下がってきた場合は、お湯を取り替えましょう。
電子レンジで発酵
オーブンレンジには「発酵機能」が付いているものがあります。使用方法はメーカーによっても異なるため、使用している電子レンジの情報を、取扱説明書やWebサイトでチェックしてください。「発酵機能」を使えば、温度と時間が設定できるため非常に便利です。
パンの発酵は酵母菌を活動させてあげることです。酵母菌にとっては25度~35度の環境が適しているため、例えば、使用後のレンジの上や温かいお風呂場など、家の中に暖かい場所があれば発酵に利用できます。ぜひ、家の中でパンの発酵にぴったりな場所を探してみてください。
おわりに
寒い季節でも、暖かい環境を作ることができればパン生地をうまく発酵させることは可能です。発酵のさせすぎやムラには十分注意し、大きさと柔らかさを目と指で確認しながら、おいしいパン作りを楽しみましょう!