「大雪」のれんこんぱん【シリーズ:二十四節気を楽しむぱん】
二十四節気を楽しむ 一膳の手まるめぱん
1年を太陽の動きに合わせて24の期間に分け、季節を表した「二十四節気」。太陰太陽暦(旧暦)では季節を表すために用いられていました。
「じゃぱん」では二十四節気(にじゅうしせっき)を区切りとし、その時期に旬を迎える食材を使った「手まるめぱん」を連載でお届けします。
シンプルなレシピでつくる、手のひらサイズの手まるめぱん。日本の四季を感じる日本ならではのパンを、気軽に楽しみませんか?
「大雪」12月7日ごろ
「大雪」は12月7日ごろ、二十四節気の第21節、「冬至」までの期間のことで「小雪」から数えて15日目ごろにあたります。本格的に冬が到来するころで、山々は雪に覆われ、平野にも雪が降り積もります。新しい年の準備を始める「正月事始め」もこの時期から行われます。冬至に向かって昼の時間がどんどん短くなっていきます。
この時期に旬を迎える食べものには、白菜、大根、蓮根、鰤、鮭、鱈などがあり、身体を芯から温めるものが食べたくなりますね。
レンコンは神様の植物
レンコンは蓮根という字の通り、ハスの地下茎で、原産地は中国もしくはインドと言われています。輪切りにすると穴が多数空いていることから「先を見通す」ことに通じ縁起が良いとされ、正月のおせち料理にも必ず加えられます。古代インドでは神様がハスから誕生したという神話から、聖なる花とされ、種が多いことから多産・神秘のシンボルにもなっています。
原産地はインドとも中国とも言われ、観賞用として栽培されていたものの根をいつからか食するようになりました。日本で栽培が始まったのは奈良時代ですが、世界でも食用としてレンコンを栽培しているのは日本と中国くらいしかないのだそうです。
主成分はデンプンで、食物繊維を多く含んでいます。根茎、葉、果実、花、幼芽すべてを薬用に利用できます。ビタミンCが非常に豊富で、疲労回復、かぜの予防、ガン予防、老化防止に効果があるとされています。れんこんに含まれるムチン様の粘性物質には、胃壁を保護する効果や、胃腸の働きを助ける効果もあります。アクにはポリフェノール類が含まれ、消炎止血作用があり、下血や喀血を止める効果があるそうです。他にも咳止めや熱さましなどの効果があり、漢方薬、民間療法の食材としても大切にされてきました。
茨城県の霞ヶ浦周辺の沼地が特産地ですが、日本各地でいろいろな在来種のレンコンが栽培されています。
「大雪」のれんこんぱんのつくりかた
今回は、いつものパン生地をすりおろしたれんこんの水分だけでまとめ、アクセントの黒ごまを加えて蒸しパンを作ってみます。寒い季節には部屋も部屋も暖かく感じる蒸しパンがおすすめです。
シンプルで簡単!手のひらサイズのパンは1カップの小麦粉で。
ふつう手ごねでもホームベーカリーでも、1斤の食パンを焼くには300g前後の小麦粉を使います。でも一人暮らしではちょっと多いし、発酵にも時間がかかりそう…と思う方、1カップ=100gの小麦粉で小さな「手まるめぱん」を作ってみませんか?材料と作り方はとてもシンプルです。
<材料>3個分
- パン用小麦粉(強力粉)1カップ(100g)
- 塩 小さじ1/4
- 砂糖 小さじ1
- 白神こだま酵母 小さじ1/2
- 酵母を溶かす水 小さじ1(35℃にする)
- れんこん 70g+飾り分3枚
- 黒ごま 小さじ2
※お使いになる小麦粉によって水分量が変わります。詳しくは小麦粉の商品説明書にてご確認の上、当レシピをご参照ください。
<作り方>
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- 白神こだま酵母は、35℃くらいのぬるま湯小さじ1に浸して5分ほどおく。れんこんはすりおろす(飾り分として2mmくらいの薄切り3枚をとっておく)。
- 小麦粉に塩と砂糖を混ぜておく。【1】の酵母、れんこんをあわせて、生地がなじんだら耳たぶくらいの固さになるよう手のひらで温めながら捏ねていく。途中で黒ごまを加える。いつまでも手にべたべたとつくようであれば小麦粉を少し足す。
- 乾燥しないように大きめのボウルなどに入れて30℃前後に保温し、大きさが2.5倍、指でおして生地が戻ってこなくなるまで発酵させる。
- 3つに分割して生地のガスを抜くように軽く丸め15分ほど休ませる。
- きれいに丸めたら上部に薄切りのれんこんを押し付け暖かいところで30分~1時間ほど発酵させる。
蒸気の上がった蒸篭で15分ほど蒸す。
おわりに
れんこんぱんの作り方はいかがだったでしょうか。蒸しパンは気温が低く発酵しにくい冬でも、蒸すとちゃんと膨らんでパンになるので作りやすいです。すりおろしたれんこんに加えて、小さ目に刻んだれんこんを練りこんでも食感が楽しいですね。
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