食べられないパン?リースやウェルカムボードに使われる飾りパンとは
パンはパンでも食べられないパンは何でしょう?正解はフライパン……ではなく、飾りパンです。
ヨーロッパの伝統文化として歴史の深い飾りパンは、かわいらしいデザインが評価されており、愛好家も大勢います。短時間で作れる手軽なものから製作に1カ月以上を要する超大作まで存在し、初心者から上級者までさまざまな楽しみ方ができるのです。
また、「食べられる飾りパン」も一部では人気があります。基礎から応用をきっちり習得して、自分だけのオリジナル飾りパンを作りましょう!
飾りパンとは何か
通常のパン生地をあえて発酵させず、室内の飾り用に焼き上げ成型したものが飾りパンです。ニスを塗るため食べることはできません。
飾りパンの歴史は古く、ヨーロッパではかなり昔からパンを飾りに使う風習が根づいていたとされています。母親が子どもにその家だけの飾りパンレシピを伝えることもあるそうです。
日本でも、流行に敏感な女性の間で知られており、最近では一部の雑誌などでも少しずつ取り上げられるようになりました。世界では、パン職人達が腕を競い合う「ベーカリーワールドカップ(クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリー)」では、飾りパン部門もあるほど飾りパンは有名です(日本は2002年、2012年に優勝しています)。
飾りパンにはどんな種類があるのか
飾りパンは基本的に食べることができず、その名の通りインテリアアイテムとして飾るものです。有名なものだと、クリスマスリースを始めとした各種リースが挙げられます。他にも、パン屋さんの看板や内装のデコレーションとして、またはディスプレイグッズとして飾りパンが使われていることも。
結婚式では、ウェルカムボードや祝い菓子を入れるカゴとして作られることもあります。
ハロウィンの時期にはジャックオーランタンを飾りパンで作ってみるのも面白いですね。カボチャのお化けをあえてパンで作るのは、何ともオシャレで遊び心たっぷりです。
自分で作るなら、まずは小さめのリースから作ってみるのがおすすめ。生地を三つ編みにして輪にするだけでも、十分ステキな作品にできますよ。
リースやウェルカムボードなどの飾りパンを作るには?
ウェルカムボード用の飾りパン作りは、生地を長く保存するために卵と牛乳を使わず、水分を十分にとばすことが大切です。
生地の種類によって粉の配分が微妙に異なり、強力粉とライ麦粉を半分ずつ混ぜ合わせると白生地、強力粉の割合を少し減らしその分ココアを加えると黒生地になります。
また、シロップ作りも大切な要素です。グラニュー糖と水の割合を間違えると生地がうまく固まらないため、配分は慎重に行いましょう。生地の種類にもよりますが、グラニュー糖48%、水28%の配分が飾りパン作りに良いといわれています。
飾りパン作りの1番のポイントは、楽しみながら作ること。完成予想図を頭に思い描きながら作ると自然と気持ちが入り、愛情たっぷりの飾りパンに仕上がります。お子さんのいる方は、親子で一緒にオリジナル飾りパンや人気キャラクターを模した飾りパンを作るときっと楽しめますよ。飾りパンは保存状態に気をつければ数年もつといわれているため、良い思い出になりそうですね。
おわりに
インテリアやディスプレイアイテムとしてさまざまなところで活躍する、「食べられないパン」である飾りパン。簡単なモチーフなら、小さなお子さんでも粘土遊びのようにして楽に作ることができるため、親子でオリジナル飾りパン作りに挑戦すれば親子の絆も深まるでしょう。もちろん、友達同士、ワークショップ感覚で作るのも楽しそうですね。
季節ごとに飾りパンを作ると部屋の雰囲気も変わり、飾りパン作りがよりいっそう楽しくなります。かわいくて、見る人をあっと驚かせるステキな飾りパン。ぜひ一度、作ってみてはいかがでしょうか。
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